山納銀之輔

自然界に寄り添って生きろ!全てを失くしても大丈夫!世界は大きい!

010 借金残り1300万の壁 〜俺がお金を捨てたわけ

6400万あった借金を残り1300万というところまで返済して、そこから一向に返せなくなったんです。

 

景気が本格的に冷えていた時代的な理由もあったと思うし、俺の経営が間違っていたのかもしれない。でも、どう頑張ってもだめだった。もう無理かもしれないと思いながらもなんとかなるなんとかしたいって頑張りました。毎日が支払いの心配に追われていて、電卓たたきながら従業員の家族の顔が浮かんでくる。毎日が苦しくて、週に1回の非常勤講師だけが楽しみでした。

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実は強制送還になったサムエルから、送還の半年後に電話かかってきたんですよ携帯に。「あ、サムだ。なんでサムエル日本にいるのか」本当は10年入国できないはずなんですよ。「どうやって入国したんだ」「大丈夫だ」日本語で。「宇都宮駅にこられるか」「行くよ」って言って、行ったらサムエルがいて。で「どうしたの」「また帰ってきて今度は東京の青砥でいう所で働くんだ」って言って。親戚でおばさんにあたる人がいるんだっていう。そこに行って日本の中古車をナイジェリアに輸出する仕事するんだって。「部品が高く売れるんだよ」って。「おまえどうやって入ってきたの」って言ったらまた違うパスポート持ってきた。新しいパスポート。

 

サムエルの底抜けのどんな不幸にも負けない笑顔見てたら、俺は何やってんだ毎日って。俺もサムエル見習って精一杯生きなくちゃだめだという思いが出てきた。でもそこからしばらくは抜け出せなかった。

 

俺が心を決めたのは3年間の非常勤講師が終わったときでした。会社を解散することに決めました。そのとき30歳でした。

もしこのまま70歳になっても俺は多分お墓に入るときにすっげえ後悔すると思った。一生に1回しかない人生これかって。

 

車も家も、実家も事務所も会社も、借金のかたになくなった。ゼロから出直しだって思いました。

 

会社解散するときに、従業員のことがどうしても引っかかってたから。全員いい会社に紹介して、ホンダとかみんないい会社にちゃんと入れるように手配して。それから解散しました。

 

自分の人生生きようと思ってのことだったんだけど、ここから俺の人生の本当のドン底になっちゃった。

 

会社を解散したとたん、今まで親切にしてくれてた人たちがいきなり冷たくなった、周りにいたほとんどの人がその時いなくなった。

 

ひとりぼっちになった。そのとき。

仲良く思ってた人たちが全員冷たくなって、それがあまりにも悲しくて俺の心はそのときズタズタになっちゃった。6400万持ち逃げされた時とは比べ物にならない程孤独だった。この時が俺の最初の人生のどん底。

 

金がないとかでかい借金があるとかよりも、一番つらかったのがひとりぼっちになったこと。

 

それまでは借金があってもまだちやほやされてて周りには人がいっぱいいた。でも、解散した瞬間から誰一人俺を応援してくれる人がいなくなった。俺に話しかけてくれる人もいないし、優しくしてくれる人もいない。周りに誰もいないんだ。

 

つづく