山納銀之輔

自然界に寄り添って生きろ!全てを失くしても大丈夫!世界は大きい!

020 食中毒になり8日間生死を彷徨い人生観が変わる 〜俺がお金を捨てたわけ

参ったぜそれ。と思って途方に暮れてた。

 

ミワちゃんは「もう駄目、これ。どうしようもない」つって一足先に森ん中に住んでた。 森ん中に引っ越しちゃってた。そのカフェにいられねえって。

 

仲間に率いれようと説得されて、俺の味方についたせいで、脅迫されたって。財布の中の金を全員に囲まれて全部取り上げられたって。その後に続く話になるけど、パソコン盗まれたり携帯取られたり。殴られて怪我したり、刃物を振り回されたり、囲まれて車に載せられそうになったりしてどんどんエスカレートしてった。

 

とにかく俺を弁護してくれようとした人達は、巻き添えくらって気の毒だった。

遠いところから俺の村づくりに遊びにきたのに、奇声を上げながら取り囲まれて、軟禁されて、空港に送り返されちゃったりね。 あっという間。誰も味方がいない状況になった。俺、よそ者だし。そのカフェ自体が宗教団体みたいな感じだった。もういいことばっかりやってるからあの人が言ってることは絶対だみたいな。宮崎のマザーテレサとか言われて。俺もそう思ってたわけだけど。

 

みんなが逆らえない理由はまだあって、このカフェに例えば海の塩を炊いて塩を置かせてもらっているとか、手作りのバジルの葉っぱのハーブティーを売らせてくれてるとかみんなの手作りの物を販売してたから、そういうみんな恩があるわけ。だから向こうの味方につかないと。

生活がある。子供もいたりすればなおさらだよ。

 

だからもう残念なんだけど。 不本意と思って来てくれた人はたくさんいたんだけど俺と会うことさえ許されない。何も言えない。誰も逆らえない。

 

そこでまた俺、人生 3 度目のどん底で。今度は涙が止まらなくなっちゃってさ。毎日泣いちゃって。なんかね。もう俺も山に入ろうって思って。で、ミワちゃんの所行ったらすっげえたき火して、どんぐりの木の下で気持ち良さそうに 1人でお湯沸かしてるんだよ。コーヒー入れて「飲む?」なんつって。あれ、すげえ楽しそうじゃん、ここって思って。で、 そこ座ってコーヒー飲むんだけど。やっぱり黙ってコーヒー飲むと涙出てくるんだよね。

 

もうそれが 42 歳の誕生日の次の日。

 

ミワちゃんはその時骨折した状態で山にいたから。俺、水汲みしたり、川の洗濯を手伝ってやったりしてた。で、そこらへんに落ちてた水タンクを洗って綺麗な湧き水汲んできて飲んだの。そしたら食中毒。

 

もう吐いて下痢して熱出して完全に動けなくなってもうろうとなっちゃった。意識が。でも医者はいけないし。道具から何から何まで全部奪われちゃったから。そのカフェ立ち入り禁止みたいな。だから俺の物がない。所持品を取らせてもらえなかったから。

 

山での生活は、寝るときは動かない軽ワゴン。それをどんぐりの木の下に置いてた。開拓のために買った重機で運んで。夜はそこで寝て。生活は外。ほとんどね。

 

それで、8 日間苦しんで俺そのとき本当に死ぬかと思ったよ。 あんなに首吊っても駄目だった俺がここで本当に死ぬんだと思った。このまま衰弱して死ぬんだって。いろんな変な夢とか昔のこととか思い出しながらだんだん弱っていった。

 

不思議なことに前の嫁さんから電話きて、父ちゃんから電話きて元気か大丈夫か。虫の知らせみたいのあるんだろうね。

 

もうだめだと思って山に入った途端に食中毒だったから。そのときの恨みと悲しみと憎しみしかねえわけよ。それと執着。もうそれが、沸き上がってきて苦しくて。

 

もう涙は出てくるしどうしようもないわけよ。死んだほうがマシと思ったもん。本当に。 今度こそ。

 

でも高田馬場のじいちゃんや陰陽師に言われた寿命を信じてるから、死ねねえんだな。だったらこれはどういうことなんでしょうかね神様と思った。

 

で、8 日目に朝日に向かって立ちションしたんだよね。今でも忘れないよ、あの太陽は。なんて幸せなんだろうと思って。幸せが沸き上がってきちゃって。こんな幸せな景色と空気と山で、こんな幸せな今がある。本当全てに感謝しようと思ったんだその時。多分その時に熱下がって食中毒治ったんだろうね。俺らを陥れたその6人でさえ、こういう思いをさせてくれてありがとうと思ったもんね。

 

その時から、人生観が180度変わった。

 

恨みつらみから。 一気に沸き上がる感謝の気持ち。

その時、ニホンザルがどんぐりの木の上とまって俺らを見てて。イノシシがすぐ横を通る。 ニホンミツバチがブンブンきて全然逃げないで刺さないでずっといるわけ。これは野生の哺乳類として迎えられたと思ったな。

とにかく幸せが湧き出てくるんだよね。

恨みも何にもなくなった。 それですごい気分が最高なわけ。あ、これ何でも前向きにやれると。

 

それで竹で小屋作ったの。

ドラム缶風呂入ってるときに雨が降っても大丈夫なように、竹の屋根を作って、そっから雨樋も竹で作ってドラム缶風呂に水が入るようにして。

ドラム缶は、タイミングよくもらったんだ。

 

タイミングよくと言えば、白いご飯食いてえなあって言ってたんだよね。そしたらその日炊いたご飯が 届いたんだよ。米じゃなくて炊いたご飯が一升届いた。

近所の旅館でキャンセルが入ったんだって。キャンセル入った旅館のおばちゃんがここにおもしれえ人が住んでるって聞いてきたんだけど。って、持ってきてくれた。そのおばちゃんは地元の人だけどオーガニックとか関係ない生活してるから、そこのカフェに何の関わりもない人だったんだ。

 

それ全部おにぎりにして。大きいのが33個。そのおにぎり食いながら、やっぱ魚とか肉とか喰いてえな。畑がない今、捕まえて食うしかねえよな。と思いました。そしたら次の日に狩猟生活26年の師匠が現れた。昨日来た旅館のおばちゃんのご主人だったんだ。

 

この師匠との出会いがまた俺の人生を大きく変えてったんだ。

 

つづく

 

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去年の今頃、9月限定のスペインバルをやりました。美味しいものを食べると、どんなに辛いことがあっても頑張れる。